本書の目次
- エンゲージメントとは?
- 「仕事がつまらない」のはなぜ?
- 「会社・組織」へののめり込みを向上させるアプローチ
- ジョブ・クラフティングとは?
- エンゲージしやすい仕事のタイプを把握しよう
- 個人の働きがいと、組織の働きやすさを開発する
”仕事の面白さを感じられる習慣と志向を身につけよう”からはじまる本書
メンタルヘルス疾患が問題視される昨今ですが、そもそも仕事に意欲がない人もいて、「ストレスもないけど、充実感ややりがいもない」実態への問題提起をしています。
「自分が主体となってこの仕事に取り組んでいる」という仕事ののめり込みを作るのがジョブ・クラフティングです。(だと私は理解しています)
ここでは2章の「仕事がつまらない」のはなぜ? を取り上げ、ご紹介していきます。
※下記の抜粋において「・」は本文からの引用部分、「○」は汐中のつぶやきです
仕事がつまらない3つの理由
やらされている仕事や与えられた仕事に人はエンゲージしない、とした上で3つ挙げています
- 管理
- マニュアル
- 呪縛
管理について
・自分の行動が最終的に評価される。外的報酬に紐づけられること「だけ」が強調されると、エンゲージが難しくなる
・目の前の仕事がやらされ仕事と化すと、途端に仕事はつまらなくなる
・マネジメントとは管理ではなく、仕事の適切な配分や人の育成
マニュアルについて
・マニュアル(manual)とは手引書や説明書
・マニュアルは欧米にもあるが、仕事をつまらなくする原因になっているのが日本の特徴
・背景にはマニュアルという用語に対する誤解
・欧米=「最低限守ること」 日本=「決して外れてはいけないもので、すべてその通りに実施すべきこと」
・本人が工夫を加える余地がなくなる
呪縛について
・日本では「仕事は面白くないもの」「つらい下積みに耐えたものだけが一人前になれる」といった先入観が染み付いている
・朝早くに出勤して夜遅くまで残業する姿を「勤勉である」と評価する
・「仕事が面白い」というものなら「まだ本当の仕事をしていない」と言われたりする
○「労働」を「牢働」「朗働」と揶揄することがあります。「朗働」が本書で言うジョブ・クラフティングによって高められるエンゲージメントがもたらす働き方でしょうが、まだまだ日本では「牢働」といったネガティブなイメージが付きまとっている気がします。解決の鍵は、人材マネジメントでしょうか。次に「人材マネジメント」を見ていきます。
エンゲージメントが導く人材マネジメントのこれから
・人材マネジメントはOSをバージョンアップする時期に来ている
・これまで慣れ親しんだ人材マネジメントの考え方や、働き方への意識にメスを入れなければ、変化の激しいこの時代で生き残ることはできない
・意識改革は、コンピューターのOSのバージョンアップにたとえることができる
・OSのなかでも 特に重要なバージョンアップは次の6つ
- 論理的思考力→創造的思考力
- 知識、スキル、学力→コンピテンシー
- 協調性→シナジーを生むチーム・コミュニケーション
- 忍耐力→コーピング
- ビジネスマナー→魅力的なパーソナリティ
- 気合い・根性→ジョブ・クラフティング
ここでは6つめのジョブ・クラフティングを取り上げます
⑥気合い・根性→ジョブ・クラフティング
・「今の若い人たちに気合いや根性を求めても無駄。もっと楽しく仕事をさせてあげよう」という意味ではない
・もっと強い動機となるエネルギーが必要
・自身の手で仕事に変化を加えることができれば、仕事は”やらされ感のある”ものではなく、自分が主体となって取り組むものとする意識へ転換することができる
・仕事が「つらく面白くないもの」であれば「興味深くのめり込めるものへと変える」この意識の転換がもっとも重要
・旧来のOSのよい部分を残した上でバージョンアップを図るべき
○人は元来、創造的な生きものでしょう。子供の頃、月にどうやって行くか考えてワクワクしたあの頃の感覚。でも、ダメだ無理だと「創造」のない言葉や世界を見せ続けられると、すっかりあのワクワクはどこかへ行ってしまいました。非現実的な空想にひたることがいいと言っているわけではなく、人間に本来備わっている「ワクワクする機能」をどうやって発動させるのか、をマネジメントで考えて行く時代になったと思っています。
まだまだ紹介しきれないコアな部分は、ぜひ本書を手に取ってご覧ください。